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しこてぃっしゅβ

日々の忘備録代わりと、チラシのウラで。

   

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802.11ac!!

こんばんは。痛男です。

802.11ac搭載の機種が続々と市場に投入されてきました。

今回はそんな巷で話題の802.11acの話です。






大昔に一度、Cisco Aironetを取り扱ったことがありますが、その時にも802.11a/b/g/nやSSID、認証と暗号化についてかなり苦戦した苦い記憶があります。

一方で、今年5月に総務省が発表した資料(「平成23年通信利用動向調査の結果」)では、自宅でインターネットに接続している世帯の過半数以上で無線LANを利用してインターネットに接続しているという結果が出ました。

その昔、暗号化方式のクラックや野良電波など様々な問題によって物議を醸していた無線LANは、ノート型PCやスマートフォンなどのタブレット端末の登場によって市民権を得たどころか、今やインターネット通信の主力になろうとしています。


冒頭でも書きましたが、SE業をしていて無線LANの設計、構築、運用といえば、Cisco Aironetを使用する機会が最も多いのではないでしょうか。

その他、企業向けの機器ではArubaなんかも頑張っています。

一般家庭向けの無線アクセスポイントではやはりBuffaloですね。

性能という点では各社良い物を出していますが、NECのAtermシリーズなどは某巨大掲示板などでも名前が挙がる製品ではないでしょうか。


さてさて、今やインターネット接続の主力となり、今後の通信を支えていく802.11acですが、従来までの規格と何が違うのかおさらいしてみましょう。

と、言っても現行主力の802.11nとの違いや技術的なことはGoogle先生にちょっと聞けばすぐに答えが返ってきますので、小難しい話はそちらにお任せするとしてここでは痛男なりの解釈で説明したいと思います。


1.使用周波数帯が5GHz限定

現行主流の.11nは2.5GHzを使用しています。

周波数帯の違いは主に無線電波の届く範囲、干渉するノイズなどに影響を与えます。

もともと2.5GHz帯は様々な無線用途機器に使用されており(ISMバンド)、身近なところでは電子レンジなんかもこの周波数帯を使っています。

つまり、自宅の無線LANアクセスポイントを電子レンジの上に設置した場合(そんな使い方している人見たことありませんが)、夜食に冷凍食品を温めると通信速度が遅くなります。

一方、.11acで使用する5GHz帯はもともと解放されている周波数帯が狭く限定的です。

そのため、ノイズによる干渉を受けにくい周波数帯となっています。

ただし。

5GHz帯には弱点があって、直進性には優れていますがその分、遮蔽物を迂回する性能(回折性)には劣っています。

イメージとしては、高速であるが故に猪突猛進で障害物に当たって砕けてしまう剛の者ですね。

これは日本の、特に都市部の住居にはかなり不利ではないでしょうか。

マンションなどの集合住宅のように限られた空間に各部屋を設けるためにあちらこちらに壁があるような住宅にはちょっと不向きなのかなと思ってしまいます。

一部の高級タワーマンションのようにワンフロアを広々と使っているお宅には向いているかもしれませんが。



2.チャネルボンディングの幅が広い

チャネルボンディングとは複数のチャネル(周波数帯)を束ねて、パケットを送受信する仕組みです。

実はCiscoのAironet(1242AGだったかな?)はチャネルボンディングをサポートしていなかったりするのですが、その分、MIMOやパケットアグリゲーションの機能などによって論理的な広帯域化を実現しています。

.11nでは20MHz×2の40MHzを使用していましたが、.11acでは20MHz×8の160MHzまで使用出来るようです。


3.変調方式の進化

.11nと.11acの大きな違いの一つがこの変調方式です。

.11nではデータ送受信の変調方式に64QAMが採用されています。

この64QAM方式とは一度に6bitのデータを送受信する変調方式です。

一方、.11acでは256QAMが採用されました。

256QAM方式では、一度に8bitのデータを送受信することが出来るため、.11nよりも約1.3倍多いデータ量を一度に送受信できることになります。



と、このように.11acではこれまでの主力である.11nから随分と進化を遂げてきていますが、.11acが普及することで結局何がいいの?と言いますと、ずばり、通信速度の高速化です。

これまでのLANと言えば、有線、無線に関わらず1Gbpsの速度が一般的でしたが、この802.11acの理論値は約7Gbps(Wave2で対応)です。

そうです。つまり、.11acは無線が有線を超える歴史的な規格となるのです。



と、言ってもこれはあくまで理論値ですので、現実はそう甘くはありません。

イギリスのシャノン・ハートレーおじさんも言っているように通信速度には上限があり、それはノイズによる影響と帯域幅に比例します。

家庭内での使用を考えた時にせっかく.11ac対応の無線アクセスポイントを購入しても遮蔽物だらけの家なら本来の力は発揮出来ないでしょう。

また、無線区間は良いとしてその先のワイヤー区間はボトルネックになりませんか?

さらに、.11acに対応する端末は何がありますか?特にスマフォやipadなどのタブレット端末で複数本のアンテナを付けることが可能でしょうか?


などなど、実用化に向けてクリアしなければならない課題はいくつもありますが、とは言え新しい技術が出てくることはこの業界に身をおく者として喜ばしい限りです。

いつか、.11acに携われる仕事と巡り合うことを期待しています。



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